軽く読み流すことが出来ずに、何度も数行前に視線が飛ぶ。書籍化されてカラーな挿絵を見たいようで、見たらイメージ壊さないで!と我儘を言いそうな……。鮮やかで豊かにあふれる色彩と情景。秀逸で小気味の良い言葉選びやその表現力から漂うノスタルジー感と……、とにかくいろいろ美しい。そして作家さんのキャラへの視線はとても優しいのです。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(425文字)
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