お綺麗な《英雄譚》はここにはない、ゆえに圧倒される

勇者は兵隊だった。魔物討伐は戦争だった。
戦いは戦いであり、恐怖は恐怖でしかなく、そのなかでも戦わなければならないものたちと、現実を知らず勇者に助けをもとめるだけのひとびと―ーあなたは無残な現実に直面する。

倫理も道徳もかなぐり捨てた英雄譚の裏側ですが、説得力が凄まじいのです。ふつうの人間であるほどにそうならざるをえない……綺麗事では済まない話に読者は圧倒され、頷くほかにありません。
是非是非、ご一読を。

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