第11話~専門学生(成人式)
年が明け、成人式に行った。N倉くんも来るだろうと思っていたが、一生に一度の成人式。行きたかった。振袖を着たかった。
N倉くんは、私と別れて一ヶ月もしないうちに新しい彼女ができたのは知っていた。S井Mみ。S井MみもN倉くんも私も、同じ中学。彼女も、可愛くもなく性格も悪い。
生徒会委員だったS井Mみは、式の何かの係をしていた。走り回り、忙しそうに仕事をしていた。彼女と一緒に、なんとN倉くんも手伝っていた。二人の左手の薬指にはペアリング。私とはしてくれなかったペアリング。N倉くんはどちらかというと、いわゆる「不良」のほうに入る。高校も中退している。そんなN倉くんが、柄にもない真面目なことをしている。それほどまでにN倉くんは、彼女に影響を受けたのか。私は呆然とする。
悲しい、辛い、苦しい、寂しい、悔しい。色んな感情を抱いたはずなのに、私の心はフリーズし、麻痺をする。その麻痺が、その後いつまでも続くなんて思いもしなかった。
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