第8話~専門学生

【専門学校入学】


 東京の専門学校。私の世界はさらに広がった。男女共、面白い人が揃っていた。ファストフード店、食べ放題店、カラオケ、飲み屋。色んな友達と色んな場所へ行った。とても楽しかった。 




 N倉くんとの付き合いは続いていた。楽しかった。楽しくて仕方なかった。でも私の気持ちが大きくなり過ぎた。彼が全てで、家族も友達もいらない。彼以外、何もいらなかった。やりたいことがあって専門に入れてもらったのに、いつの間にか彼が私の夢になり、私の命になった。生き甲斐だ。それが彼には重くなったのだろう。1年もしないうちに、あっさり振られた。


 命を失くした私は、生きていることが不思議に思えた。カミソリを手にするが、何もできない自分がいた。


 N倉くんと付き合い始めてから、彼への想いが大きくなればなるほど感情の起伏が激しくなった。それについていけないとクラスの友達は言った。友達は失いたくない。そう思った。特別すごく仲が良かった訳でもないのに。

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