第21話~退職

【OLを辞める】 


 私は会社で浮いていた。テレビはニュースしか見ない。バラエティもドラマも、全てくだらない。テレビはなんてくだらない世界。ひとりの時間は全て音楽を聞いていた。それもコテコテのロックンロール。気の合う人などいなかった。




 それは突然だった。私が金曜、半休を使って早退した日。事務員全員で、私だけが不利になり負担の掛かるシフトを勝手に作っていた。さすがに何も思わなくなかった。それから私は、社長から同僚まで社員全員への信頼を失くした。自分以外は皆、敵。


 その出来事があっても、「もうどうでもいいや」と仕事を続けていた。しかしふと、退職を考え始めた。会社にも会社の人間にも、ヤリ逃げされたことにも疲れ、仕事を辞めた。




 少し休んで、職場が遠くなってもいい、仕事が難しくて大変になってもいい、もっと給料の高い会社を目指そう。ステップアップにもなる。実家に地元にも戻る気はない。




 独りで生きて行こう。そのためにはもっと良い所に住みたい。今住んでいる小さなアパートではなく、ちゃんとしたマンションに。今までが低給料だった。これからは高給料が必要。


 次好きな人ができたら、その人の種だけいただいて、独りで産んで独りで育てよう。


 そう決めた。

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