ひたすら悪い記憶をここに。

第17話～OL

【OL時代】

　初心者OKな近場の会社に入社。仕事は経理事務。

　サービス業を目指そうとした私は、「OLなんて絶対なりたくない。毎日同じことをして何が楽しいの」と思っていた。しかし毎日同じことをするOLが私にはぴったり、しっくりきた。何てことだ。今までの時間、努力、勉強、削られた心、今までの全ては何だったのだろう。

　専門学生時代にN倉くんと別れた後、６年間、好きな人すらできなかった。別れてしばらくは、確かに未練があったと思う。でも未練だけならまだよかった。新しく好きな人を探せばいい。

　しかし違った。「あれだけ人を好きになったら、別れた時あれだけ辛い思いをする。そして永遠などない。」それを知った私は、それを思うと恋などしたくもなくなった。それだけN倉くんが好きだったのか、それともただの臆病者を超えた愚か者か。