第10話~専門学生(キャバクラ)

 N倉くんとの失恋の痛みをごまかすため、自分で自分を傷み付けた。




 ある時、就活も黒光りする髪も嫌になり、金髪にした。学校へはほとんど行かない。好きでもない男とセックス(一度だけだったけど)。バイトをしようとしたが、金髪なんかじゃどこも雇ってくれない。他のクラスの友達がキャバクラでバイトを始め、私も真似をした。


 やる気のない、売れないキャバ嬢。適当に選んだその店は、女の子を大切にしない酷い店だった。ボーイ達の朝礼はヤクザそのもの。営業中、あるボーイが客と口論になった。その後そのボーイを見たら口から血を流していた。でも店を変えるのも面倒だった。楽しくなんかない。つらい。でも私は続けた。その年はクリスマスと週末が重なった。家族サービスで客のいないクリスマスのキャバクラ店。無様だった。私はあえて出勤した。この年のクリスマスが、最低のクリスマスになりますようにと。




 本当に無様なのは自分だった。

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