第12話~専門学生(卒業)
【専門学校卒業】
卒業が近付く。「この会社を受けてだめだったら、就職は諦めて大人しくフリーターしよう」そう思って受けた会社が受かった。単位ぎりぎりで卒業。
後味の悪い卒業だった。
不幸はもういらない。だから幸せもいらない。心、体、頭、私全部が麻痺をしたその後、私は感情のコントロールをしていた。「私は悲しくなんかない」と。無意識だった。現実を受け止められなかったのだろう。気持ちに蓋をするようになったのはこの頃だ。
N倉くんと別れる前まで泣き虫だった私が、全然泣いていないことに気付く。いつの間にか泣かなくなっていた。ずっと泣いていないし、心の底から笑ってもいない。
私は感情のコントロール方法を間違えていたのだ。後の祭り。感情を失くしたのだ。全く気付かなかった。気付いた時には手遅れだった。
思い出を捨て、地元を離れる。家も地元も地元の人間も置いていく。これからの私には一切必要ない。私は一人暮らしを始める。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます