第4話~中学2年
2年生になって好きな人ができた。S木J洵也。小心者の私は、こそこそその人を見ることしかできなかった。相手からの反応はない。当たり前だ。
体育の授業に教育実習生の大学生が来た。今思うと野暮ったい男だったが、当時の私にとっては新鮮で、とにかく話をしたかった。しかし話し掛けても相手にしてくれない。なのに同じグループの可愛い子ちゃんには先生自らが話し掛けている。しかも沢山、ぺらぺらと。私はその時知った、「女は顔」なのだと。そして私はその「顔」ではないことを。親を怨む。
寒い頃だった。S木J也へ自分の気持ちを書いた小さなメッセージカード。それを友達が渡してくれた。返事も何もずっとない。どれくらい経ったかは忘れたけど、友達に付き添ってもらって、彼の家に電話をした(その頃まだ携帯電話などない)。返事を聞きたかった。自分の中で、はっきりしたかったのだろう。彼は学校の部活には入っておらず、ジュニアユースで活動をしていた。『サッカーがあるから。ごめん。』と言われた。イエスかノーかはわかっていた。ショックはなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます