二人が老いているからこそ、純愛が沁みる物語

老いていくこと、呆けていくことは、人にとっては必然です。
それはきれいごとで済まされることばかりでなく、やるせないことや嫌なこともたっぷり含んでいます。
そんなところを書き出しながらも、不思議と優しく美しい物語です。

物語は一人の老人『茂さん』が初恋の人に会いに旅立つことから始まります。その旅の途中、自分を死んだ旦那さんと勘違いするおばあさんと出会い、ともに小さな旅をすることになります。

短い話の中で老いることの切ない感じ、戸惑う様子などが実にうまく語られています。そんな二人のたどたどしい交流、彼らを助けてくれる人も現れて、と物語は徐々に盛り上がっていきます。この老いた二人がみせる交流がなんとも純粋で、胸をうちます。そして最後に広がる美しい光景と優しいエンディング!

短い話ながら、心の温かくなる物語。
ぜひ読んでみてください!

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