概要
逢いたい。心の底に居た。思っていたのは君だった。
妻を看取った後、一人暮らしをしていた。ワシにはやり残したことがある。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!老いの先に見つけた幸せ。歳を取ることが怖くなくなる、心温まる名作です。
妻を亡くした90歳男性・茂。
心に決めていた目的を果たそうと出かけた際、認知症らしい女性に夫と間違われ、成り行きで行動を共にすることに。
会話は噛み合わず、足取りも危なっかしいご老人二人。
それでも読んでいて温かな気持ちになれるのは、二人が見せる素朴で優しい人柄と、そんな二人を心配し、手を差し伸べてくれる若い人たちの存在。
老いることは、そんなに怖いことじゃない。
こんなに素敵な出逢いが待っているかもしれない。
そう感じさせてくれる、明るく優しい物語です。
未来に不安を感じたら、ぜひこの作品を開いてみてください。 - ★★★ Excellent!!!二人が老いているからこそ、純愛が沁みる物語
老いていくこと、呆けていくことは、人にとっては必然です。
それはきれいごとで済まされることばかりでなく、やるせないことや嫌なこともたっぷり含んでいます。
そんなところを書き出しながらも、不思議と優しく美しい物語です。
物語は一人の老人『茂さん』が初恋の人に会いに旅立つことから始まります。その旅の途中、自分を死んだ旦那さんと勘違いするおばあさんと出会い、ともに小さな旅をすることになります。
短い話の中で老いることの切ない感じ、戸惑う様子などが実にうまく語られています。そんな二人のたどたどしい交流、彼らを助けてくれる人も現れて、と物語は徐々に盛り上がっていきます。この老いた二人がみせる交流が…続きを読む