そこで暮らす人々の確かな息吹を感じる、異世界ファンタジー
- ★★★ Excellent!!!
創作した世界をリアリティのある世界と感じさせるのは、異世界ファンタジーというジャンルで物語に没入していくために重要な要素だと思います。
物語の誕生と同時に産声を上げたような世界を舞台にした異世界ファンタジーが多くある中、この作品では、人、物、金の流れなどに触れつつ重層複合的な世界の創出に成功していると言えます。
確かにそこに新たな世界があって、そこで暮らす人々の息遣いが聞こえてきそうなほどです。食料一つをとっても、その世界観の一片が見えてきそうな精緻な表現ぶりです。
普遍的な異世界ファンタジーにおける、表面的な華やかさの影をも表現し、大変読み応えがある作品と感じます。