広大な世界が、すぐそこに。

丹念に練り込まれた世界観と設定。
とても丁寧な描写でありながら洗練された文体。

これこそがこの作品の大きな特徴であり、読み手を自然な形で作品世界へと誘ってくれる重要な要素です。

土埃や油の匂い、街の喧騒や鳥の声、頬を撫でる風――まるで自分がその場にいるような本物の「臨場感」。
セリフや行間に込められた、卓越した心理描写。

それらが混然一体となり、極めて良質な読書体験を与えてくれるファンタジーの傑作。

物語は、ここにあります。

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