第13章

翌日の午前7時。私は、大翔の家に行っていた。優しく迎えてくれた大翔に開口一番「卓也を振ったの」と言い、多分困らせたと思う。でも大翔は優しく話を聴いてくれた。

「そうか、、、真衣も辛かったな」

全部話し終えた時の大翔の言葉で、私は凄く救われたような気がした。

「ありがと、、、話聞いてくれて」

私が言うと、大翔は当たり前の顔で頷いた。その時、ふと時計を見ると、7時40分だった。学校に行くのは7時半で大丈夫なので30分あったが、オーバーしてしまったようだ。

「やばい、もう40分だ!ほんとごめん!」

私は焦って叫んだ。

「全然大丈夫だよ!走れば良いし」

大翔はそう言うが、焦っているみたいだ。

「、、、よし、行こう!」

私たちは大翔の家を出ると駆け出した。私は全速力だ。大翔は私に合わせてくれている。

「ごめんね、、、ありがと」

私たちは息切れしながらも学校に着いた。時計を見てる暇もない。1年の教室は4階だ。下足室で上履きに履き替え階段を駆け上る。

ガラガラッ

「遅れました!」

先についた大翔がドアを勢いよく開けた。

追いついた私が後ろから中を覗くと、みんなが注目しているのが分かった。

「あ、村上さん、と高野さんね。2人ともいつもはちゃんと来てるのにどうしたの?」

教壇に立っている上原先生に聞かれ、どう答えていいかわからなくて黙り込む。そんな私たちを見て悪ふざけで1人の男子が

「2人でイチャイチャしてたんだろー?」

と言った。すると他の男子も騒ぎ出した。

「お前たちそんな関係だったのか?!」

「おいマジかよ大翔!高野と付き合ってたなら言えよ!」

「大翔もついに彼女が出来たんだな」

「抜かされちまったな、卓也。あとこのクラスで彼女いないのは俺たちだけだぜ」

卓也はこちらを見ずに黙り込んでいる。桜井は机に頬杖をついていて機嫌が悪そうだ。私は2人に申し訳なく思った。でも、、、私は照れて顔が赤くなってしまうのを感じていた。照れたらますます誤解されるって分かってるのに、止められない。すると、

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