第2章
「高野!」
あー、、、やばい。大翔だ、、、私の親友とも言える。卓也ほどではないけど、小さい頃から仲良しで、同じく親友の由紀より相談に乗ってもらっているかも知れない。由紀は中学からの知り合いだし。卓也は、なんでかそんな大翔が苦手みたいなんだ。そのせいでみんなの前で真衣って呼んでくれなくなった。
「大翔!」
「村上、、、お前何しに来たんだよ」
「おっ中井か。おはよ。高野、今日の係俺たちだぞ」
係、、、?って、あっ!!そういえば、今日日直だ!!
「やばい!ごめん卓也、先行くね!」
日直は朝に教員室に行くなど色々忙しい。のんびりしている場合じゃない。私は大翔の手を取って慌てて走った。
「大翔、ありが、、と、、忘れてた」
「真衣のことだから、、忘れてんじゃねえか、、って思って、、、たんだ。よかった」
走りながら話しかけると、大翔は真衣って呼んでくれた。大翔は小学校の頃は名前で呼んでくれてたから、少し寂しい。卓也は小学校は何故か私立に行ってた。大翔は、とっても優しくて完璧で、私の自慢の親友だ。
「教員室だよね!」
「あぁ。教員室ってなんか緊張するよな」
ふっ、変に真面目なんだよね。仕方ないから私が言ってあげることにする。
コンコン。ガラッ。
「失礼します、1年3組の高野真衣です。上原先生いらっしゃいますか」
「はい、ちょっと待ってね、、、上原先生、高野さんです」
私たちはそわそわしながら待つ。
「あ、日直ね。偉い、忘れてるかと思った。さすが高野さんと村上さんね。えっと今日は、、、」
私は、先生の話を聞きながら桜井のことを考えていた。桜井、桜井春樹は私と仲良くしてくれる子。とってもかっこよくて、笑顔がキラキラしてるイメージ。私の隣の席。だけど、、、一学期の終わり、なんか変な感じで別れてしまったんだ。だからちょっとだけ憂鬱。
「おい、行くぞ」
私は、大翔のその声ではっと我に返った。やばい、先生の話あんまり聞いてなかった!!困った私は、
「どこに?」
と言ってしまった。ちゃんと聞いてなかったのが丸わかりだ。大翔はそう思っただろう。でも、
「とりあえず教室だろ?二時間目に代表で日直が二学期への思いを言わないといけないから考えないとな」
え、、、優しいね、ちゃんと聞いてなかったのか?とか言いそうなものなのに。私は、にこっと笑う大翔を見て大翔のことをもっとすきになった気がした。
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