第3章
「高野って、スピーチ上手いよな。そういうの憧れるわ」
始業式が終わり、二時間目にあれから教室に戻って一生懸命考えたセリフを私と大翔で言って席に着いた時、桜井が話しかけてきた。
、、、よかった、あのことは無かったことになったみたい。私は少しホッとする。
「そうかな?全然だよ、、、凄く緊張したし声が若干震えちゃった気がするし」
私はみんなの前で何か言うのがちょっと苦手だ。
「え?気づかなかった。堂々としてるように見えたよ」
嘘でしょ?優しいからそう言ってくれてるだけだよね。
「いやいや、、、本当にそういうの苦手なんだよー」
「そうやって謙遜しなくていいよ」
「謙遜じゃないから、、、」
めんどくさい。謙遜じゃないし、先生が話してるんだからこれ以上話したくない、、、私はあのことがあってから桜井との付き合い方を探している。
「ふ、そういうとこ凄く、、、好き」
え、、、え?!好き、、、桜井が私のこと好きって言った、、、あ、まって、そんな変な意味じゃないよね。勘違いするな、私。でもきっと、私の顔は真っ赤。
「え、っと、、、ありがと」
「うん」
前は、桜井はこんなこと言わなかった。きっと、あのことがあったから、だよね。微妙だなぁ、、、
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