概要
フリーターの氷室竜夫はある日突然、異世界に召喚された。しかし、特殊な力は与えられず、それどころか言葉すら通じなかった。なにも事情がわからないまま投獄されてしまった竜夫は死を覚悟する。そんな竜夫を救い出したのはこの世界に存在する最後の竜だった。
最後の竜は異世界の住人である竜夫に興味を持ち、あることを達成してもらう代わりに自分の力をすべて竜夫に与えると持ちかけてくる。
それは、どこかにいるはずの復活した古き竜たち始末すること。
ここはかつて、竜が高度な文明を築いていた世界。
この世界の人間は、はるか昔に突然消えた竜の文明の遺産を利用して高度な文明を築きつつあった。
竜夫は竜の申し出を受け入れ、力を手に入れた。そして、もとの世界に戻るために、かつて竜がいた異
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!竜がいた異世界で、手に汗握る逃亡生活!
かつて竜が住んでいた異世界へ飛ばされてしまった氷室竜夫。何故か、命を狙われる羽目に。いつ、どこで、誰が襲って来るわからないという常に緊迫した状態で過ごさなければならなくなります。
あと、主人公が逃亡者……ということもあるのでしょうが、とにかく戦闘がエグいですね。まさに「命がけ」の状態で戦いが進んでいきます。ちょっと前の任侠ガンダムみたく、主要キャラがバタバタ討ち死にしていきます。「補正」というものが一切ない。それゆえ、読者は緊迫感を持って読まなければならない作品です。
そもそも、どうして戦っているんだっけ?
敵の正体って結局、何なんだろう?
これが不明瞭なだけで、ここまでハードでシリア…続きを読む - ★★★ Excellent!!!タイトルに偽り無し!
2021年1月12日。
最新話193話まで読了時点での感想。
見覚えの無い異世界へと召喚された主人公のタツオは、そこであらゆる者達から命を狙われる。
何故自分が狙われるのか。
狙う相手は何者なのか。
全てがわからないまま追ってくる相手を殺し、抗い、逃げ、戦う。
この物語は、かなり容赦の無いバトルファンタジーです。
主人公のタツオは追われる身であり、基本的に手加減できるような状況にありません。
また、相手も相手で本気で容赦の無い手段を行使してくるため、結果として登場人物達がかなり躊躇無く死んでいきます。
「まあ話の展開的に、キャラ的にこのキャラは〜〜」とかありません。
…続きを読む - ★★ Very Good!!リアル指向の世界観
Twitterの【#RTした人の小説を読みに行く】の企画から来ました。
言語や化学、生活環境にその世界の住人の常識など、主人公の世界と異世界のズレを設定やストーリーの流れを使って擦り合わせ埋めています。
昨今溢れる異世界物とは異なり、主人公は一般的な常識、考え方、人間性を持っており、もし自分が異世界に行ったらこんな風に感じたり考えるのかもと思わせてくれます。
その主人公が強い力を得たことで少しずつその自分というものが変わっていくことを感じることも、ある意味リアルなのかもしれません。
一点気になったのは、物語が動くまでに少し時間がかかることです。
もう少し早い段階で何かが明確になってそれに…続きを読む - ★★ Very Good!!琥珀の色を感じる上質な異世界ファンタジーをどうぞ
「異世界からの帰還」を題材にしたファンタジー作品です。
よくある異世界脱出モノかと思いつつ読み進めていくうちに引き込まれている自分に気付きました。
主人公「竜夫」と竜というシンプルな「二人」を軸に据えているので文章量的にはボリュームがありつつ読みやすい。こうした作品は稀有だと思います。また文体もライト過ぎず、かっちりと抑えるべきところは地の文で描き切る技量も昨今のウェブ小説にはなかなかないものと思います。
映画で言うならば70年代ノワールといったところの、ブランデーのような琥珀色の色彩が混じった風景で脳内再生される異世界モノ。ぜひ楽しんでみてください。