西方辺境戦記 ~光翼の騎士~

作者 金時草

69

24人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

■物語創作におけるオリジナリティとは何だろう?
 この問いかけにわかりやすくシンプルに答えられる人間はそうそういないだろ。
■少なくとも〝誰とも似ていない〟とか〝類似しているものがない〟という意味ではないのは確かだ。
■ならば何をもってして〝オリジナリティ〟と呼べば良いのだろうか?

■それに対する明確な答えを持っているのがこの作品である。

■例えばである。古典的な芸術の一つであるクラシックバレエ、その演技方法、表現方法、足の運びから練習方法に至るまで、その中身は事細かに規定され演者の個人的な意図を差し挟む余地は全くないかのように見える。
■事実、経験の浅い初心者のそれは〝マニュアル通り〟と呼ぶにふさわしい代物でありオリジナリティがあるとは決して言えない。
■しかし、これがメインステージの主役を張れるほどのプリマドンナとなれば話は変わってくる。
■その身のこなし、演技、テクニック--、あらゆるものがクラシックバレエの基本的技法に成り立っているにもかかわらず、その舞台との演技を総合的に見た時に明らかにバレリーナ本人の『確かな個性』が存在しているのである。

■これは何もクラシックバレエに限ったことではない。ロックバンドだってそうだろう。使用する楽器、演奏方法、表現スタイル、歌唱法--あらゆるものが共通化されてるのには関わらず、バンドそのものを全体的に見た時にやはりそこには明確な個性とオリジナリティが存在しているのである。

■そうだ、それこそが創作におけるオリジナリティなのである。

■本作品はハイファンタジー作品としてはある種オーソドキシーすぎるほどに基本に忠実な作品である。しかしだからといって何かに似ているのか古典の模倣であるということは決してない。

■一つの王国の中で明確な社会と生活のコミュニティがあり、そこに生きる一人一人に〝命の息遣い〟が存在しているのである。… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

※初めに、企画に参加いただきありがとうございます。
 本来ならば、全話追ってからのレビューが望ましいのは理解していますが、なるだけ多くの作品を執筆している方に書いていきたいので、その点はご容赦ください

 本文
 まさにファンタジー戦記に真正面から書いた作品だと感じました。
 戦記のものの醍醐味として、活躍する主人公を見るのは勿論のことですが、軍と軍の対決、ここもネックとなる要素であると思います。
 さてこの作品はというと、そいった点にも力を入れているのは間違いないです。まだ序盤の方なので、主人公が身内の危機となり、その力の片鱗を見せるというまるで少年漫画のような王道展開で終わりましたが、その過程にある味方側と敵側の駆け引きなど、主人公が絡まない状況下での戦場の動き、こういった描写があるのはとても好感触でした。
 文章の方も丁寧な文体ですし、読みやすい表現が多かったです。
 現実でも一騎当千の活躍をした歴史的偉人も多いので、主人公が無双するのもリアリティがないとは言いませんが、その猛将を支える部下はいたわけですし、年齢相応の達観した味方や未熟さのあるキャラクターをかき分け、それによる戦場への影響を描写するのは、かなり重要な部分です。
 
 長くなりましたが、たまには泥臭く、目まぐるしく移り変わっていく戦場の様子を体感できる古風な作品も読みたい。
 そんな方にお勧めの戦記ファンタジーでした。
 
 

★★ Very Good!!

指輪物語をはじめとする、今ではあまり見なくなった、静謐さと泥臭さが混じったようなファンタジー。
昔読んだような、そういった古き良きファンタジーを愛し、それを表現し伝えようとしている思いが強く感じられる作品です。

ファンタジーを愛するものにはお勧めの作品だと思います!

★★★ Excellent!!!

丁寧な文章とよく練られた構成が、ハイファンタジーならではの世界観をしっかりと描いており、読むほどに物語の中へ没入させてくれます。
スタートダッシュ形式のラノベではなく、主人公とともに物語を歩んでいく小説なので、休日にじっくりと読みたい作品です。
アルスラーン戦記やグランクレスト戦記のような、正統派ハイファンタジー小説が好きな方にオススメ。