あの日から


「大丈夫ですか?」と聞かれ

「大丈夫ですよ」と答えるばかり



勢いで

喜怒哀楽を漏らして

記憶の海原に投げ出されるくらいなら

1つも残さず

グッと呑み込み

しまっておいた方がまだいい



何もかも 誰も彼も

つけられる

はずだった無数の句読点を置き去りにして・・・



いっそ

あの日に物語という物語が

     おわってくれていたら

          楽になれたのかな・・・



不謹慎?

そうかもね。

でもね。

そう、思わずにはいられないんだよ・・・



前を見つめる眼差しに

上を見据える歩幅に

ついていけるほどの折り合いを

まだ

つけられそうにない (ゴメンナサイ・・・・・・)




声なき声がする

どうしても、声にならない声が聴こえる

  あえて、声にされない声が聴こえる

    五感を通して 響き渡る

     その1つ1つを静かに受けとめる

      その日が来るまで

       その日を信じて




( 名古屋市民文芸祭 第62回 名古屋短詩型文学祭 詩部門 佳作 )


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【 初出 】


詩のブログ

『 橙に包まれた浅い青 』


2012年11月28日

「 あの日から 」

http://komasen333.blog.jp/archives/2725291.html

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