咲いては散りゆく式


見下ろしていた

窓からノスタルジアになる前の   笑み と 涙





眺めていた

改めて見ると、目新しくも見えた   見慣れた すべて  







グラウンド

向かいの校舎

職員室

屋上のタンク

雲のない空

伊吹おろし








見惚れていた

その存在感   最後の最後まで多くの心に咲き続けていたその雰囲気




呼ばれて降りていく

いつもと変わらぬ無邪気     後輩に囲まれる姿が 誰よりも眩しかった










いつのまにこんなとこまで来てしまったの

あっという間の別れの日










君と逢えたことで    何もないことの虚無を知った

君と逢えたことで    努力の重みを知った

君と逢えたことで    表現の楽しみを知った

君と逢えたことで    積み重ねていく夢を知った

君と逢えたことで    時の尊さを知った

君と逢えたことで    心の底から喜びを知った










思えば

素直になろうとすればするほど    離れていったこの素直





思えば

返しきれなかった心象画が渦巻いたまま   応えきれなかった風景画が巡ったまま










君と逢えたことで     心   色づいた

君と逢えたことに     涙   溢れた

君と逢えたことで     夢   芽吹いた










もしか 

いつかでまた逢えるのなら・・・   

甘く苦く予感を契ろう    この日だからこそ




きっと

どこかでまた逢えるのかな・・・   

強く深く希望を描こう    もっと輝いていくため










いつかでまた逢えたときには もう少し素直になっていて魅せるから

どこかでまた逢えたときには その変わらぬ笑みで包んでくれたら











さよなら     今日でみんな  さよなら

さよなら     今日ですべて  さよなら

  








寂しさも

 清々しさも

  儚さも

   愛しさも

    虚しさも

        騒々しさも

             切なさも

              嬉しさも

               悔しさも       

                美しさも

                 醜さも

                    たくましさも

                          もどかしさも

                           静けさも    

                            やさしさも

                             素晴らしさも    








今日でさよなら

とりあえず、さよなら  







また、いつかで     きっと きっと こんにちは        

また、どこかで      きっと きっと こんにちは    みんなでこんにちは



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【 初出 】


詩のブログ

橙に包まれた青


2012年01月09日

咲いては散りゆく式

http://komasen333.blog.jp/archives/2724854.html

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