つまり、月夜に追憶27


つまらなさを嘆き

つまらなさに沈み

つまらなさを助長し

つくべき嘘をつかずに

つかなくてもいい嘘をつき

強がることに慣れ

つながることを恐れ

ついたて越しのよそよそしさで

つんつんとした殻を被り

つくづく心だけ幼いまま

つくづく体だけ老いながら

付け焼き刃な涙を添えて

つぶらないつかの瞳

艶やかないつかの仕草

つんざくようないつかの歓喜

つまびらかな追憶に

追憶を重ね重ね

付かず離れずな陰影くっきり

追従する受け身を引き摺りながら

追悼するような謙虚を忘却したまま

月夜に

つまらなき

つぶやき繰り返す。

つまり

尽きぬ溜め息をついては

ツキがないとアルコール片手に

つんとする鼻先をすすってばかり。



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【 初出 】


詩のブログ

橙に包まれた青


2013年12月01日

「 つまり、月夜に追憶27 」

http://komasen333.blog.jp/archives/2725665.html

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