孤動グラデーション



待ち合わせ時刻三十分前

集合場所の金時計前に着く

街の風を

人の色を

この肌とこの五感で味わいたくて


初夏が近づいてくる

淡く華やかな

ふんわりとしたファッションが多い

歩いていく一人一人

涼しげな空気を起こして

じっとりした梅雨 しばし忘れさせる


このまま

ずっと、ずっと

この場所で待ちわびながら

この人波をいつまでも眺めていたい

待ち合わせをするたび よく考える



どんな格好で来るのか

どんな表情で来るのか

行き交う同年代を眺めつつ

キミの今日を予測したり


どんな会話を展開するか

どんな喜びを展開するか

同年代のカップルを眺めつつ

今日のボクを予習する


会うまでのその時間

何よりもかけがえのない時間

この街に来てよかったと 深く想う


街の風が

人の色が

手を振る

キミを縁取るように

グラデーションを高鳴らせる



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【 初出 】


詩のブログ

『 橙に包まれた浅い青 』


2013/2/16(土)

「 孤動グラデーション 」

http://komasen333.blog.jp/archives/2725409.html

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