その愛は、ひっそりと煌めく

本物の愛とは何なのでしょうか。
誰かを本当に愛すること。一人の人間としての真の美しさ。これらは果たして、外見から判断できるものなのでしょうか。

普遍的なテーマではありますが、本作ではこの問について深く読者に投げかけているように感じます。
美しい情景描写、安利と縫の艶やかなやりとり、その裏でひっそりと息づく「本物とはなんなのか?」という問いかけ――これらが絡み合い、本作独特の翳りのある美しさを生み出しているのだと思います。

どこか大人の苦味も感じさせる和風ファンタジー。
一行目から間違いなく引き込まれます。ぜひご一読ください。

その他のおすすめレビュー

湊波さんの他のおすすめレビュー118