今と過去、何気ない風景に想いが溢れる
- ★★★ Excellent!!!
まるで、その景色を見てきたかのような、感情と絡む日常の描写が本当に美しくも切ないです。もとより、湖上様のエッセイの大ファンなんですが、日常の切り取り方というんでしょうか。とにかく、そういう視点が存分に本作を彩っているなと思います。
決して、声高に心を描写している訳じゃない。なのに、読み進めるうちに、マリアの気持ちが痛いほどに伝わってくる。家出の目的地に着いて、ジャクリーンの踏んだ土地を目にした時、マリアは…そしてあなたは、何を思うでしょうか。