歌姫と彗星カラス

作者 ハルカ

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★★★ Excellent!!!

美しい歌声をもつ歌姫フィオンは、彗星カラスに声を奪われてしまう。カラスのしゃがれ声しか出せなくなった彼女の前に現れたのは、偏屈な作詞家のエイサだった。公演が間近に迫る中、果たして、フィオンは声を取り戻すことができるのかーー?

子供の頃に大好きだった物語を思い起こすような、優しくて心の踊る物語でした。エイサをはじめとする、一癖も二癖もあるキャラクターたちも愛おしいのですが、個人的には、彗星カラスやシリウス・ペンといった固有名詞のセンスの良さも推したいところ…美しく、とても想像力がかき立てられます。

フィオンの声を取り戻すための旅を通じて、少しずつ明らかになっていく縁にも目が離せません。みなさまぜひ、ご一読くださいませ!

★★★ Excellent!!!

この物語は宇宙一の歌姫が、彗星カラスに声を奪われることから動きはじめます。
そう、舞台は宇宙。一見SF的な世界観ですが、その雰囲気は御伽噺のように美しいファンタジーです。

歌姫や、歌姫の声を取り戻すための仲間はもちろん、ちょっとした小道具(シリウス・ペンとか!)がとても素敵です。現実で販売されないものだろうか……。

きらきらと静かに輝く星を見るような、うっとり幸せな気持ちになれる、そんな物語です。

★★★ Excellent!!!

彗星カラスという何とも魅力的な生き物に誘われて読み始めました。何とも憎みきれないカラスっぽいカラスながら、通常のカラスとは違った興味深い生態。
この彗星カラスに纏わる真相は見物です。

立場も種族も異なる様々な仲間に助けられながら、声を取り戻そうと奔走します。特徴的なキャラクターを想像する楽しさ、歌姫フィオンを揺さぶる不安や後悔、焦り、絶望、哀愁、そして安堵。様々な方向から揺さぶってくれます。そして、何処か心地良い。

このステージで奏でられる優しいSFを、鑑賞しに来てみませんか? 思わずアンコールと言いたくなるはず。

★★★ Excellent!!!

個人的な感想ですが、児童小説とか童話的な物語を書くのは難しいと思っております。
それは子供から大人まで楽しめることが重要だからです。
子供が読めば楽しく読みやすく、大人が読めばノスタルジーだったり人の大事な部分の再認識だったり。
そういう幅広い層を相手に文章と物語をつづるのはいろいろ大変です。

そしてこの作品です。
古き良きSF世界を彷彿させる世界観。
声をカラスに奪われた歌姫が、仲間と一緒に声を取り戻すという童話的なストーリー。
この二つが見事に融合していた面白い作品でした。

なにより特筆すべきはすごく丁寧に物語がつづられているということです。
歌姫の苦悩と後悔、彼女を助ける仲間たちの献身ぶり、声を奪ったカラスの目的。
そう言ったものが絶妙にちりばめられ、物語に深みを増していきます。
途中に出てくる歌姫の歌詞の優しさは、音楽がなくとも心に響いてきます。

とにかくそういったいろんなものが、優しい語り口で語られていく様は読んでいてとても心地がいいものでした。
SF的な設定と、異形なキャラクター達がつむぐ世界は希望に満ちていて、これもまた読みどころの一つかと思います。
ストーリーも起伏に富んでいて読み応えがありました。
そしてなにより、童話がもたらす優しい読後感がしっかりと感じられました。

ぜひ読んで見てほしい作品です!

★★★ Excellent!!!

個性的なキャラクター達、全員が魅力的なお話です。
思い返せばハルカさんが書く物語は、一人ひとり(時には一匹いっぴき)がいつも個性的で、生き生きと動いていました。
今作は見た目や性格のキテレツさが際立ち、ファンタジー感をいっそう引き立てています。

ラブロマンスの要素が強く、読んでいてニマニマしましたが、途中の煮えきらなさや、ラストの「お、お前…案外、意気地なしだったんだな」と思わずにはいられない種明かしには、もっと頑張れと真顔でツッコミたくなりました。笑。
もっと頑張れ!

きっと頼もしい脇役達が、主人公達の未来を幸福なものにしてくれるのでしょう。
最後まで温かく、そしてコミカルで可愛らしい作品です。
面白かった!