たったひとつの縁を、永い海を渡るための綱へと変えて

強い霊力を持ちながら、神に選ばれなかった神凪・鏡一郎。しかして彼は、戦いの最中、ヨリシロガミ・アタラと契約する。神凪を呪うとされるヨリシロガミ。その契約は、果たして悲劇か。それとも――?



海を奪われた世界、和風バディと、あらすじに散りばめられたキーワードが刺さりまくって読みましたが、大変よかったです!

鏡一郎とアタラの、文句を言い合いつつも背中を預けて戦う信頼感…これぞまさに、バディものの魅力といったかんじで…大好きです。彼らを取り巻く神凪-伴神組も素敵でした。巳代次くんとツバキさんのペアは、見ていて微笑ましく…二人がいるからこその場の和み方が好きです。

最後まで物語を読み終えてから思うと、鏡一郎とアタラの間にあるのは絆というより縁で、それは海を渡る綱のようなものだと感じました。「もやい綱」という言葉がありますが、まさにそれだなと思います…永く暗い海を渡るふたつの船と、それをしっかりと結ぶひとつの綱…。

バトルもありつつ、キャラの過去にも思いを馳せることのできる素敵な作品です。
みなさま是非一度、お読みください。