笑ってよいのか

 職業もののエッセイとして、破格に面白い。最初から最後まで一気に読めた。

 そして、数々の苦労話に笑いもすれば……赤面した場面もある、と正直に告白しよう。むろん、犯罪には一切無縁だが。

 一つ一つの出来事が、軽妙洒脱な筆致で快適に描かれていることでのんびり浴槽につかっている気分がする。鼻歌でも歌いたいがマナー違反である。したがって頭の中で歌う。なんとなくヘンなクスリでもキメているような気分になるが、本作が優秀すぎるのが悪い。いや、これはマナー違反者の悪質な言い訳だった。

 そんな意味不明な、だが爽快極まりない読了感が得られる本作は是非とも広く世界中に行き渡って欲しい。

 必読本作。 

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