少年らしさと重厚な世界観のファンタジー

異世界ファンタジーといっても、作者が練り込んだ独自の世界観であり、そこに生きる人々の息遣いまで聞こえて来そうな完成度とこころよい重さを伴っています。

そして、特筆すべきはイルルク視点の少年らしさ。おそらく一般社会から差別の眼差しに曝されて来ただろう少年がもつピュアさや、未熟さ、不安、小さな恋心、そういうものが繊細に織り込まれてひとつの人格が立っており、見事というべき仕上がりです。

未読の方はぜひ、この世界観と少年の美しさに触れてみてください。

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