紫の子
南雲 皋
プロローグ
炎が、揺れている。
紫の炎が。
パチパチと爆ぜる炎の中に、人影が見える。
揺らめく紫の髪。
吸い込まれそうな紫の瞳。
紫のその人は誰かに何かを告げている。
楽しそうに、告げている。
揺らめく炎がどんどんと近付いてきて、目の前を覆って。
そうして私は生まれ落ちた。
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