あたらよ空にゴシック詠え

作者 山駆ける猫

明けない夜よ、明け給え! 少年少女、刃となりてその怪異を穿つべし

  • ★★★ Excellent!!!

 平和な地方都市、矢染市。
 女子高生である天奈と潤子、何気なく過ごしていた休日は突如阿鼻叫喚の地獄絵図と化す——。

 物語はそんな日常が非日常へと変化した恐怖からスタートします。
 矢染市の空を覆う、紫色の壁。そこら中に蔓延る怪異達。
 明確な悪意を持って人間達を蹂躙するそれになす術ないと思いきや……。

 突如そこに舞い降りたのは、真っ赤な髪と黒いゴシック服、大鎌を携えた黒音。

 物語はこの天奈と黒音、主に二人の視点によって紡がれていきます。

 全ての混沌を切り裂く黒音と、淀みを癒し浄化する天奈。そして周りを囲む百鬼夜行のような個性溢れた仲間達。
 妖怪変化の類が好きな人はもちろん、超人的な力を持つ可憐な人物と突如力を手に入れた普通の女の子のバトル、和と洋を融合させたセンスある言葉の羅列に各所に散りばめられた音楽的なエッセンス……と、兎に角あちらこちらにハマる要素が盛りだくさん!

 だけど戦闘描写がまるで映像を見ているかのように美しく、とにかく頭を空っぽにして読んでほしい作品でもある。

 夜を切り裂き、怪異を纏い、少年少女は常闇を穿つ——。
 果たして矢染市は薄明を迎えることができるのか。

 この恐怖のコンポーザーと、立ち向かうコンダクター、その邂逅をアナタも是非ご覧あれ♪

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