海に潜ってみたくなる短編。
- ★★★ Excellent!!!
設定が興味深く、文章も整然としていて読みやすい。
特に印象に残ったのは、「美しさだけなら、水族館には敵わない。だけど、潜らなければ見られない光景がそこにはあった。」というフレーズだ。
自分を含めて、人は食わず嫌いをしやすいものである。いま身近にあるものに満足し、あるいは自分には必要ないと決めつけて遠ざけてしまう。
ほんの少しの好奇心や勇気を携え、触れてみなければわからない本質的な魅力を、人は生きているうちにどれだけ知ることができるのだろうか、そんな事を考えさせられた。
主人公よりも友人のほうに感情移入し、友人の心馳せに胸を打たれた。GARNET CROWの『君を飾る花を咲かそう』という曲が思い浮かんだ。