“だいすき”な気持ちひとつで、いつからでも歩き出せる

子どもに関わる夢を抱く幼馴染みの男女の温かい物語です。

保育士を志す由衣の一番の不安は、自分の受験や将来より、幼馴染みの康介のこと。
目指すものは違えども、ともに子どもを喜ばせる夢を持ち、ライバルでもあった康介が、気づけば夢を諦めてしまいそう……恩師と会っても、その不安は募るばかり。

そんな中、ふと浮かんできたのは、康介が作る絵本(未完)のこと。

素直になれず、自分自身に嘘をついていた康介が、子どもという噓をつかない純粋な存在とのふれあいを通じて本来の自分に立ち返るまでの流れが美しく、心動かされました。
終盤、絵本を通じて由衣と康介が心をリンクさせるシーンも肺腑にしみます。素敵な作品をありがとうございました。