★★★ Excellent!!! 心を奪われた男は… 夏目弥杜 心が奪われるという衝撃的な展開から、ラストの少し切なくなるシーンまで、主人公の少し達観したかのような語り口調があっという間に導いてくれました。 SF的な設定の使い方とラストシーンの関連性の持たせ方が非常に巧いと感じさせられる一作です。SFをあまり読まれない方であっても、一読してみることをオススメします。 レビューいいね! 1 2021年2月2日 12:59
★★ Very Good!! 僕の心を奪ったのは誰だ。(本文より) たはしかよきあし 「僕の心臓が奪われた。奪ったのは一体誰だ?」 この文字だけを見ても、一体どんな話なのか、全く想像もつかないでしょう。 ありもしないはずの「心臓を奪われる」という事態が、まるで当たり前のことかのように感じられます。一読あれ。 レビューいいね! 1 2020年6月23日 17:34
★★★ Excellent!!! ハートを無くした人生はいかに…… 夏木 ハートを無くすとはどういうことだろうか? そう思って読み終えると、なるほどと納得いたしました。 多くの人にとっては大切なハート。 なのに、無くしたことで落ちこむどころか晴れやかな気持ちになった主人公。 そして、主人公の周りにいる人たち。 それぞれの思いが交差し、衝撃的なラストへと繋がります。 驚きと優しさが詰まった作品でした。 レビューいいね! 1 2020年5月5日 18:32
★★★ Excellent!!! 心臓を盗んだのは誰か? れんげそう 何かに魅了されることを「心奪われる」と表現することはよくある。 これはつまりそこから生まれた物語のなのだろうと読み進めて、読み終えて。 一巡して「心臓を盗んだのは誰だったのか?」が本筋だったのだと気づく作品です。 心臓が欠けた者は痛みがわからない怪物でしょうか? 心臓を奪った者は人の痛みを理解しない犯罪者でしょうか? 気になった方はぜひ読んでみてください レビューいいね! 1 2020年3月23日 21:10
★★★ Excellent!!! 心臓は頭の中の石のようだ。 夏山茂樹 中世ヨーロッパの人々は、頭痛の原因を「頭の中に石があるからだ」とみなしていたそうだ。 この主人公にとって、心臓は大事な臓器だそうだが実際、この頭の中の石とほぼ変わらないのではなかったと思う。 心臓を奪われても恋人のことを想う気持ちは変わらないし、死ぬときの気持ちも、普通の人間となんら変わらない。 むしろ心臓を奪われてラッキーだったのではないかと、なんとなく考えさせられてしまう。心臓を奪われることで主人公はダイビングができるようになった。海の壮大さを知ることができた。 望みとは違う方向に行っても、自分なりの幸せを築けているならそれでいいと私は考えてしまうのだ。なぜだろう?今回はそれを考えさせられるお話でした。 レビューいいね! 2 2020年3月2日 13:06
★ Good! すこしふしぎが、心を温める。 刀綱一實 正直もっと猟奇的な作品かな、サスペンスかな……と思って読み始めたのですが、予想を裏切られました。ドロドロ要素微塵もなかったよ(笑) 心臓は人の命を左右する部位ゆえに、そこが障害されると自由を奪われるものだと思います。自由に動けない、強要するわけにいかないことは分かっている。それでも見て欲しい世界があった──そんな純粋な思いが、意外な結果を生んだのかなあという気がしました。 個人的には男性の心理描写が非常にうまいなあ、と感じています。その人のために望んだことでも、恩着せがましい言い方はせずに笑いに変えてしまう、そして相手もそれを追求しないというのはよくあるなあと思うので(特に仲がいい関係ほどそうなる傾向)。 心臓を奪われても本体が生きている、という不思議な設定を最大限利用して書き切った青春短編。さわやかな心の交流が疲れた大人の心にしみる作品でした。 レビューいいね! 1 2020年2月1日 20:32
★★ Very Good!! これを読み終わった後、貴方の心臓は脈打っていますか? アレセイア 心臓が奪われる、という奇病。 それにより、「僕」の心は奪われてしまった。 ただ、それだけの話。 ただ、それだけの話のはずなのに……どうして、ここまで狂おしいのだろう。 是非、この作品を読んで――その後に、自分の胸に手を当てていただきたい。 そこに、音は聞こえますか? レビューいいね! 1 2020年1月31日 17:14
★★★ Excellent!!! 心を奪われる短編 リアム 「心を奪われる」という言葉がある。 一般的に言えば夢中になったり、虜になる、という意味であり、主観的な心の動きを指すものである。 しかし、この作品では「心を奪われる」という言葉を客観的なものとして扱っている。 その解釈は私にとって新しい発見であり、言葉の面白さに気付かされた。 レビューいいね! 1 2019年12月26日 10:30
★★★ Excellent!!! 僕の心臓を奪ったのは誰? 仲咲香里 知らぬ間に心臓を盗まれることが当たり前となった世界。そんなミステリっぽくもあり、SF要素もある斬新な設定に、すぐに引き込まれました。 数々の胸を打つ描写に、心を奪われるのは読者の方。 そして、真実にたどり着く頃には、最高の感動を味わえることでしょう。 果たして犯人は誰なのか。その目的とは……。 この素晴らしい物語を、是非、多くの方と共有したい思いでいっぱいです。 真っ白な心で、どうぞご一読下さい! レビューいいね! 2 2019年11月4日 18:10
★★★ Excellent!!! 読み易いのに心に残るものがある短編 ハクマーシー 普段あまり短編というものを読まないのですが、読んでよかったと素直に思いました。 1つのSFの様な要素をもとに、短い文章でまとめられたアイデアは読み手の想像力を引き出してくれます。 ダイビング辺りの描写で一気に感情移入しました。 段々とこちら側にも結末を悟らせてくる文章力も素晴らしいです。 長編も見たいとの声もあるかもしれませんが、短編でこそ良かったものなのかなと感じました。 レビューいいね! 2 2019年10月10日 14:23
★★ Very Good!! 心臓の鼓動をつい確認して 豆腐 心臓を盗む、盗まれる世界感って新鮮ですね。 言葉の節々に情緒があって、彼自身のこと、心臓を奪ったもののこと……考えてしまい、何度も読んでしまう作品です。 ここに何を書いてもネタバレになってしまうので、書きづらいところではありますが、他の作品を読んだ後でも、今日寝る前に天井を見ながら「心臓をなくした彼」を思う事でしょう レビューいいね! 2 2019年7月2日 15:00
★★★ Excellent!!! 愛に満ち溢れた美しい物語。 星井扇子 感動しました。 「ハートレス」と読むとキングダムハーツを最初に思い浮かべてしまう私ですが、今度からはこのお話を思い浮かべそうです。 文体も読みやすく丁寧。 すんなりと話が入ってきました。 嗚呼、愛しき哉。彼等の愛。 彼は幸せだったのかな。 レビューいいね! 2 2019年5月25日 11:57
★★★ Excellent!!! 海に潜ってみたくなる短編。 サンダルウッド 設定が興味深く、文章も整然としていて読みやすい。 特に印象に残ったのは、「美しさだけなら、水族館には敵わない。だけど、潜らなければ見られない光景がそこにはあった。」というフレーズだ。 自分を含めて、人は食わず嫌いをしやすいものである。いま身近にあるものに満足し、あるいは自分には必要ないと決めつけて遠ざけてしまう。 ほんの少しの好奇心や勇気を携え、触れてみなければわからない本質的な魅力を、人は生きているうちにどれだけ知ることができるのだろうか、そんな事を考えさせられた。 主人公よりも友人のほうに感情移入し、友人の心馳せに胸を打たれた。GARNET CROWの『君を飾る花を咲かそう』という曲が思い浮かんだ。 レビューいいね! 2 2019年5月24日 00:05
★★★ Excellent!!! 心臓のような躍動感と儚さが詰まった短編 鈴片ひかり 滑らかな文章が紡ぐ物語は、5000字弱という短編ながらも中身の濃い胸に響くものでした。 過剰な比喩表現に依存することなく、心情を描く構成は見事で見習いたいと思う箇所が随所に見られます。 素敵な作品に巡り合えたことに、素直にありがとうと言いたいです。 レビューいいね! 3 2019年5月21日 20:56
★★★ Excellent!!! 心を奪われるっていうのはこういうことかぁ 須藤二村 「こころ」で変換しますと、私のiPhoneだと あぁ~心がぴょんぴょんするんじゃぁ~ と出ます。あ、そうやって登録しているからです。私の下手くそなレビューだと何を書いてもネタバレしそうなのでこの辺でなんとか、SF的世界観で愛情と友情について書いた話なんだな!と察してください。 おそらくきっと、私の文才もこの小説に奪われてしまったのです。 レビューいいね! 1 2019年5月21日 14:16