Twilight Years ― 生者の狂騒 ―
譚月遊生季
序
※あらすじ欄の注意書きを一読お願いします。
「もうすぐトワイライト・イヤーらしい」
ここ最近は、そんな言葉が当たり前に飛び交うようになった。
今や「トワイライト・イヤー」はカレンダーに最初から書き込まれ、スマートフォンのアプリでも確認できる。
西暦は既に新暦になった。和暦だと、平成はゴタゴタしながらも続いて、今や昭和の半分を超えた。
トワイライト・イヤーは、世界が歪む年だ。……何も悪い方向とは限らない。むしろ、人類にとって有益とも思える成果をもたらしてきた。
英国のある社会学者が「人類の終焉」を危惧し、それにある歴史学者は「人類の転換期」と指摘し、少なくとも既存の在り方は滅びるだろうと欧米の権威は結論付けた。
だから、twilight years……晩年、という意味の言葉が用いられる。
1965年1月末以降は、世界各国で「吸血鬼」の誕生が相次いだ。
1977年1月中旬以降は、世界各国で「死なない生命」の発見が相次いだ。
1989年1月初旬以降は、全世界で「死者蘇生」が可能になった。
2001年1月初旬以降は、「霊界の存在」が正式に明らかにされ、研究が進められている。
2013年にそれらしいことは起こらなかったが、本当に異変らしきものがなかったかどうか、目下調査中だ。
……これは、「トワイライト・イヤー」の正体や根源を探る物語ではない。
乱れた「死」の在り方に翻弄される生命の物語である。
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