まことしやかに噂される不思議な少年、カタリィ・ノヴェル。彼から一冊の物語を譲り受けた、主人公である女性。それは彼女の心に潤いを、明日への活力を与えてくれるものでした。誰かの物語が、彼女を癒し。彼女の物語が、また別の誰かを救う。そうして世界は回っていく。なんとも素敵な話ではありませんか。書くこと、読むこと。その繋がり、その尊さ。不思議な少年が…この作品が、教えてくれます。
カタリの役割。手と手をつなぐように物語と物語をつなぐ。その『詠目』で。 かつての文学少女も今は昔、生活のために働かねばならない。全く、『生活』なるものは魔性だ。無視すると破滅、のめりこむと脱殻。両極端に陥りがちな主人公に調和均衡をカタリはもたらした。 詳細本作。
自由奔放なカタリが渡す本で救われる人もきっとどこかに。カタリの自由さがとても好きです。
週末限定なんて勿体ない! なんて思っちゃいます。それだけ透き通った豊かな心があるなら、どれだけ美しい物語が秘められているのでしょう。荒んだ心に一滴の潤いを与えてくれる。そんなお話でした。
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