守る者突き破る者

 塔。儀式、見張り、そして砦。いずれにせよ、なにか大切なものを守り見張り実行する建物だ。
 塔にたてこもっていた男には二つの財産しかなかった。自分の命と自分の物語だ。前者は皮肉にも本人の望みを阻み、後者は辛辣にも本人の望みを遠ざけた。
 そんな袋小路を主人公は突き破った。『詠目(ヨメ)』の前にはあの二人を隔てる壁などないに等しかった。
 今こそ命が物語に触れる時だ!

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