千年続けば《夢》は現実になるのか

眠り続ける竜と壁にかこまれた町、終わりを語る老人たち……果敢なくも美しい幻想譚です。短編というよりも掌編にちかい文章量ですが、重厚な世界観が構築されています。ここから数多の物語が始まりそうな、或いはすべての物語が終わっていくような。

あらゆるものが夢をみるのならば、ここにいるわたしが誰かの夢ではないと誰が証明できるのか。例えば、千年も続く夢を見続けたら、それは現実になるのではないのか。再びに夢の続きを見ることはあるのか……そんなことを考えながら、物語のその先に想いを馳せました。

果敢ない幻想に身を委ねて、暫し思索したい読者さまにおすすめ致します。

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