正直、読み終えてびっくりしています。「え、これでおしまいなの?」って。読み方によっては、壮大な物語の開始であり、壮大な物語の終焉であるものなのに。
悪意どころかそこにはきっと何の意図もなく、ただ竜の寝覚めがあるだけ。こういう誰も恨まなくてもよい「滅び」が私は好きです。
眠り続ける竜と壁にかこまれた町、終わりを語る老人たち……果敢なくも美しい幻想譚です。短編というよりも掌編にちかい文章量ですが、重厚な世界観が構築されています。ここから数多の物語が始まりそうな、或いは…続きを読む
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