チートになりそうなのにならないバランス感覚

 作家が自分の創作したキャラクターになるという設定だけを聞いたら、「自分の世界への転移」を想像してしまうのですが、この物語は創作キャラクターになるというだけで、その世界の絶対的な知識までもは有していない、神のような千里眼を持たない物語でした。

 強さだけ見れば図抜けており、それを指してチートというならばそうかも知れませんが、それをしてしまうと揚げ足取りにしかならない程、引っ張ってくれる展開があります。

 徐々に明かされていく、世界の、物語の秘密があるからです。

 スタートから感じる違和感は、明かされていくものもあれば、増えていくものもあり、膨らんでいく物語に興味が尽きません。

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