作家が自分の創作したキャラクターになるという設定だけを聞いたら、「自分の世界への転移」を想像してしまうのですが、この物語は創作キャラクターになるというだけで、その世界の絶対的な知識までもは有していない、神のような千里眼を持たない物語でした。
強さだけ見れば図抜けており、それを指してチートというならばそうかも知れませんが、それをしてしまうと揚げ足取りにしかならない程、引っ張ってくれる展開があります。
徐々に明かされていく、世界の、物語の秘密があるからです。
スタートから感じる違和感は、明かされていくものもあれば、増えていくものもあり、膨らんでいく物語に興味が尽きません。
皆既日食を見に車で出かけた主人公、斉藤タミヤは空から巨大な槍のような何かが飛来してきて物語は急展開なところから始まります。
……おや、作者様の名前も斉藤タミヤ!?ってことは!?
目が覚めると、驚きを隠せない状況に、タミヤは驚きを隠せない。
なぜなら、先ほどまでと「男」だったのに、「女」になっていたからだ。
しかもそれは見覚えのある姿、彼が書いている長編小説「滅びゆく世界のキャタズノアール」に登場するミコトと言うキャラと同一の容姿だったのだ。
こうしてタミヤ・サイトウとして、物語は異世界生活へと進んでいくのだが……。
文章もとても読みやすいです!!
文句なしの異世界好きには堪らない作品ですよ、ぜひご覧あれ!!