最後の最後、感動が数倍に広がるお話です

『魔王の棲家〜天才魔術師と老いた英雄達の物語〜』

この題名に全てが入っていた。

読み進めると魔王は出て来ないし、天才魔術師と言われている主人公も、いわゆるチートという訳ではない。
でも、描かれる世界観は今まで読んだことのない程、面白い物だった。

チートだった過去を持つ老いた英雄達はたくさん出て来る。
彼らはそれぞれに歴史を持ち、生きてきた英雄達だった。
ただ、彼らは介護を受けるまでに老いていた。

その事実にまず驚くのだが、出て来る元英雄であるじいちゃんもばあちゃんも意外と元気なのだ。
車椅子に乗りながら、介助者に文字通り介護を受けながら、認知症を患いながら、でも彼等は施設内で幸せに生きている。

そこに派遣される天才魔術師の主人公。
なぜ彼はここに派遣されたのか……

これ以上は言わない方がいいと思うのでネタバレはしないけれど、幾重にもある伏線はきれいに回収されていきます。
あなたはどのくらいの伏線に気付く事ができるのか……

一部が終わり二部に入ると、これまた素敵な話で……正直、泣きました。
この面白さをどう伝えればいいんでしょう。
これは最高に面白い物語なのです。

たくさんの人に読んでもらいたいです!!!

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