少年は一年という期間限定の友達ができた。
その友達は人間ではなく、拾ったどんぐりの中に入っていたゾウムシ。
ゾウムシという生き物を知らなかったので、調べながら彼は「ぞうくん」という名前をつける。
小さい子の目線に立つと、虫は虫ではなく友達のような、仲間のような、そんな存在になっていく。
その姿が手にとるようにわかります。
瑞々しい文体で描かれていく世界は、少年の心の動きとその奥にあるものを明らかにしながらも、優しく包んでいるような気持ちになります。
短いお話ではあるけれど、奥深さを感じて思わず涙ぐんでしまいます。
彼の心に残ったのは何だろう。
読んでみませんか?
素敵な話です。