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- ★★★ Excellent!!!多彩な死、多彩な向き合い方
死は避けえぬ運命、そして必ず訪れる救済──そんな陳腐な常套句では、到底表現し切れない。この短編集で描かれた、めくるめく死の万華鏡は。
天使紛いの怪物鳥の群れ、影法師の世界の残酷な法則、善意も悪意もない無人爆撃機、様々な形で現れる死の化身たちに、登場人物たちも様々な形で向き合う。死に抗う者の描写も、受け入れる者の描写も(そして、その中間の者の描写も)、決して押し付けがましくない。それでいて、正解は人の数だけあるという真実は、その多彩さが自から語っている。まさしく、立ち並ぶ墓標の、その墓碑銘の多彩さのように。
どのエピソードも単体でも成立するぐらい完成度が高い(その点もまた、死との向き合い方…続きを読む - ★★★ Excellent!!!死の淵を歩く者たちの生き方を切り取ったナラティブ小説
ナラティブというのは、直訳すれば"物語"という意味の英単語だが、昨今、特にゲーム業界で取り沙汰されているこの"ナラティブ"という言葉は、明確な目的やストーリーラインを語る事なく、ゲーム進行や物語の解釈をプレイヤーに委ねるスタイルを取ったゲームを言い表すのに使われている。言い換えれば、主人公──つまり物語の語り手に対して、プレイヤーが同一視を覚えるようなゲームを指す言葉であると言える。
この短編集の一編を読んでまず脳裏を過ったのは、この"ナラティブ"という言葉だった。
何故だろうか。それは本作が、それぞれの短編の世界観についての説明がほとんど為されていないからだ。
この短編集で描かれて…続きを読む - ★★★ Excellent!!!生と死の意味を知る
幻想的で蠱惑的で奇っ怪な短編集はどのお話も大変上質で総毛立ちます。紙媒体で欲しいと切に思いました。
読み手の五感を揺すぶる文章はその場の空気すら支配するようで、読みながら奇異な夢心地になりました。短編集で一話一話が手に取りやすい長さですが、短い中に凝縮された様々な感情と人のあり方と生き方と死に方と、穴底に沈殿する闇のような世界観に圧倒されます。
個人的には『放課後モノクローム』と『埋葬リザレクション』が好きです。内容と相まったこのタイトルの付け方もとても好きです。
短編集なのでどのお話から読んでも大変楽しめると思います。是非に読んでみてください。言葉の使い方が仄暗くも美しいので、耽美的な表現…続きを読む