取り戻した光のソナタ

 夏目漱石の名訳……と語り継がれるエピソードを軸に、触れたら壊れてしまいそうなか細い『光』を少しずつ手探りしていく抒情豊かな作品だった。自分の頭の中で想像したところの月を自力で確かめる瞬間は本人にしか分からない。その一瞬を逃さず掴みとった主人公には惜しみない祝福が寄せられるだろう。

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