7.飼育システム、完成まであと一歩
上部フィルターの改造が終わり、らんちゅう水槽への取り付けが可能となったことで、ウーパールーパーの棲み処完成の目途が立った。
水槽は60cmらんちゅう水槽。
フィルターはGEXの上部式「グランデ600カスタム」と、同じくGEXの底面式「マルチベースフィルター」。
底砂は大磯砂。
あとは水温関係であるが、ここもやはりGEX製のサーモ(※注1)一体型ヒーターをチョイスした。これといって特別な理由はなく、強いて言うなら「売場でよく見かけるメーカーなので安心感があった(※注2)」といったところ。べつにGEXの回し者というわけではないので読者の皆さんはどうか警戒しないでほしい。
以上の設備にデジタル式の水温計、それと底面フィルターに空気を送るためのエアポンプ(※注3)を加えた形が、わたしが初めて本格的に組み上げた飼育システムであった。
しかし、このままではまだ完璧とは言い難い。
もちろん照明がないという点もある――が、当時のわたしは照明についてはさほど問題視していなかった。熱帯魚ならともかくウーパールーパーである。わざわざライトを当てて観賞しなければならないような生体ではあるまいと思っていたのだ。
問題は、やはり水温。
首都圏以南でアクアリウムをやりたいのなら、もう一つ、絶対に揃えなければならない必須アイテムが存在するのだ。
◇ ◇ ◇
※注1:サーモスタットの意。水温を設定温度付近に保つための装置。
※注2:なお当時のGEX製のヒーターには発火のおそれがあったようで、メーカーが自主回収を行う事態まで起こっていた。安心感とは……。
※注3:コトブキ工芸の「サイレントエア」シリーズだった。決してGEXの回し者などではないということを理解していただけたのではないだろうか。
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