11.水草を植えたい!
さて、2本目の水槽は60cmレギュラーのセット商品であった。
つまり、基本的に必要なモノは揃っている。水槽本体、フィルター、照明。あと必要な器具といえばヒーターと水温計くらいか。これらは1本目と同じ製品を買い揃えることにした。メーカーによってそこまで差が出るとも思えなかったし。
こうなると、次の問題はどういう水槽を作るかである。
飼育するのはウーパールーパーと決まっていたから、できることは限られてくる。トラブル防止のため他の生体との混泳は避けるべし、というわけだ。
また、底材も大磯砂にすることが決定していた。こちらは何ということはない、余っていたというのが理由だ。なんせ以前は初めてだったからどのくらい砂を用意すればいいのかわからず、大量に買いすぎてしまっていたのである。こいつを消費しないままに別の底材を仕入れるわけにはいかなかった。
このままでは1本目と大して変わらない水槽ができてしまう……。
危機感を覚えたわたしだったが、ふと冷静な考えが降りてきた。
――待てよ?
――水草って本当にソイルじゃないと育たないのか?
いや、もちろんソイルのほうが砂利よりも育てやすいのはわかる。土だもんな。
しかし、実際の川底はどうか? 土の上には砂利があるんではないだろうか。そして、そういうところであっても水草はしっかり生えているのでは?
大磯砂くらいの目の細かさであれば、一粒一粒は軽い。砂利を押し退けて根が張ることは充分考えられるのではないか。アスファルト砕いて生えてくる雑草だってあるんだし、水草に似たようなことができないはずはあるまい。たぶん。
というわけで、植物の生命力に賭けて水草にチャレンジすることに決めたのだった。
そして、この賭けには勝った。
しっかり肥料を埋め込んでやったのがよかったのかもしれない。水草は普通に根づいた。水槽セットに付属していた照明では光量が足りなかったのか殖やせはしなかったものの、アマゾンソードとウォーターウィステリアを維持するくらいなら何とか可能であったのだ。
……が。
結果的に、新しい水槽がうまくいくことはなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます