3.水槽、二転三転
ホームセンターで買った30cm水槽をセットアップして、ウーパールーパーをドボン。記憶が正しければ当時わたしに水合わせの知識はなかったはずで、皆さんが水槽を立ち上げるときには絶対に真似しないでいただきたい。基本的に丈夫なウーパールーパーだから調子を崩さなかったものの(それでも負担はかかったに違いない)、エビとかだったら目も当てられないことになる。
ともあれ、これで当面の環境は整った。
あとは詳しい飼育方法を調べるだけだ。経緯がどうあれ生き物の命を預かることに変わりはなく、お迎えすることになった以上は相応の責任をもって飼いきるつもりだった。足りないのは心構えでなく知識だ。
そして、わたしの知識不足は検索して五秒と経たずに露呈した。
ウーパールーパー、最大体長30cm前後。
……え、マジで?
おまえそんなに大きくなるの?
言うまでもないとは思うが、体長30cmの生き物を幅30cmの水槽で飼うことはできない。当たり前である。幅は体長の倍は欲しいし、奥行きも最低限Uターンの邪魔にならない程度には確保されていなければ身動きが取れなくなってしまう。
もっと広い水槽が必要なのは明らかだった。
というわけで翌日、わたしは再びホームセンターに向かい、今度は幅45cmのスリム水槽(※注1)を購入したのである。
……いや、皆様が何を言いたいのかは理解できる。「幅60cmは必要なんじゃないの?」というのは完全に仰るとおりだし、「スリムタイプじゃ奥行きも足りないんじゃないの?」というのも実に正論である。正直、自分でもなぜこの水槽をチョイスしてしまったのか全く意味がわからない。
案の定、45cmスリム水槽はその後もほとんど使用することがなかった。わたしのアクアリスト歴で最も無駄な買い物が何だったかと訊かれれば、真っ先に候補に挙がってくるのがこの水槽であることは間違いない。
結局、水槽問題は60cmらんちゅう水槽(※注2)と水槽台を注文することで解決を見た。チャーム(※注3)様々である。
◇ ◇ ◇
※注1:規格水槽よりも奥行きがコンパクトなタイプ。小さいサイズだと「机の上に置ける!」みたいな売り文句で店頭に並んでいるのを見かける。
※注2:らんちゅうとは金魚の品種の一つ。浅い水深を好むため、らんちゅう用の水槽は規格水槽の半分ほどの高さしかない。ウーパールーパーの飼育にはこのタイプの水槽が適している。
※注3:アクアリスト御用達の通販サイト。水槽用品のみならずペット全般に強い。
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