ギアスはきみの胸の中に

眞城城歌(羽鳥)さんの名作『星刻の鍵』の続編にあたる本作。
王立魔術具開発部研究所の所長である黒衣の魔術師リトが、その立場ゆえに何者かに攫われてしまいます。普段から奇行の目立つ彼ですが、このときばかりは囚われの姫。仲間たちが懸命に居場所を捜索することになるのです。
リトが狙われた理由は、彼の開発したルーンリングにありました。それには、闇属性の高位魔法が封じられており……

痛々しい場面の多い作品ですが、優しさと勇敢さにも満ちあふれた物語なので臆するには値しません。
心の制約は、魔法にかけられるまでもなく、自分の生き方を定めてしまっています。それをほどくのは人との絆かもしれません。また、新たな制約を胸に抱くことが、決して悪とは限らないことを、この作品は改めて気づかせてくれます。

ここだけの話、やんわりとBL風味があるので気になる諸氏は注目しましょう。決して直接的な表現はありません。だからこそ要チェック。仄かな風味だけが味わえます。