一番大切なことは、手を繋いだ先にあるもの

容姿端麗、頭脳明晰、誰もが憧れるようなイケメン王子様に想いを寄せられてしまった「普通の男の子」。ひとり悶々と悩んだり、周囲に励まされたりしながら彼は自分の本当の気持ちに気付いていきますが──。

自分が引けば相手にも引かれ、向き合おうとすると正面から頭をぶつけ合ってしまう。お互いの気持ちを思えば思うほどになぜか空回りしてしまう。そんなじれったい心模様がとても丁寧に、そしてコミカルに描かれています。

堂々巡りする純情赤ずきんの思考や、クールに見えるイケメン狼の内面の逡巡。
人の持つもどかしい心のうちを、掬い取るような言葉で見せてくれます。脇役たちが要所要所にポイントを押さえた活躍をしてくれるのも物語を盛り上げます。

一番大切なことは、手を繋いだその先にあるもの。主人公が辿り着いた結論に、きっと読者も頷き、幸せを願うはずです。

BLというジャンルに抵抗を覚える方は、まずこちらを読んでみてはいかがでしょうか。人を想うことに線引きなど必要ないと気づかせてくれるかも知れません。
コタツに入った二人にあたたかい未来が待っていますように。

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