愛情を受けて愛情を返す。至極ピュアな恋愛のカタチ。

「むかしむかし、あるところに、それはそれは可愛い女の子、居りました」は、グリムやペローの童話の世界。
作者様の筆の魔術にかかれば、
「現代社会、あるところに、それはそれは可愛い男の子、居りました」に変わるのです。

篠田 航平くん、24歳。失恋の痛手を癒やす恋の始まりの温度は、決して高いものでは、ありませんでした。最初から沸点の高い恋愛が素晴らしいというわけではないのです。

乗り気では、なかった。そんな恋愛でも、想われる気持ちに、どれだけ応えていけるか。
性別を超えて、居心地の良い場所をじれったくも探して、歩み寄る恋愛の純粋さに、陽だまりのような、あたたかさをきっとおぼえる。

無垢な想いの在り方を確かめさせてくれる物語です。

その他のおすすめレビュー

宵澤ひいなさんの他のおすすめレビュー271